美根:日本の10倍以上の人口がいるわけですから、おかしいと言えばおかしい。そこにも大問題があるのですが、現状はそういうことです。ですから、アメリカとの比較において、技術力で何年か先に追い抜けると思ってはいないと思います。GDPでアメリカを超えることはイコールアメリカを超えるということではないと思います。中国は盛んにアメリカと並ぶ大国になるのが目標だと言いますので、暗に、まだ追いついていないことを認めているわけです。
木本:まずはアメリカに並びたいんですね。でも、人民元が世界の主要通貨になったりと、進歩していますよね。
美根:ものすごい勢いで進んでいます。
木本:今、いろいろな島の領有権を主張していますよね。その意味がわかりません。なぜそんなことをするのでしょう?
美根:中国が南シナ海や東シナ海で膨張主義でいくのはなぜか。大国になろうという目標を持っているだけでなく、もう一つ大事にしていることがあるからです。それは、中華人民共和国を存続させることです。
観念的な“中国”というものがある
木本:北朝鮮と一緒なわけですね。でも、はたから見るとあんな大きな国が無くなるわけがないと思うんですが。
美根:日本からすると思いもつかないことでしょうが、無くならないのは“中国”であって、中華人民共和国はわからない。今の政治体制が揺るがないことが大事なわけです。
木本:体制は無くなる可能性がある。
美根:その通り。中国5000年の歴史を見た場合、何回王朝が変わりましたか。
木本:中国はずっと歴史は続いているけれど、支配する体制は変わっていますね。
美根:もう一つの問題は、中国はずっと中国ですが、しかし「中国という国はどこにありますか」、というと中国はどこにもない。とても観念的なものです。摩訶不思議なようですが、それが特色とも言える。
木本:なるほど、日本人の発想で考えると、それは理解できないですね。
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