中国を嫌う人ほど本当の中国を知らない

現代中国を作った「鄧小平」の偉業とは?

2014年は鄧小平生誕110年の節目だった(写真 : ロイター/アフロ)

中国の近代化は、日本と違った経過をたどっている。第一に、スタートまでにとても時間がかかった。第二に、それを中国共産党が主導した。第三に、欧米の近代化と異なる独自の道をあえて進んでいる。その現状を理解し将来を予測することなしに、グローバル世界の今後を考えることなど、できない相談だろう。

その中国を、解くカギは儒教にある。儒教は、中国の社会構造を規定し、中国を生きる人びとの意識を規定している。何千年もの時間をかけて、中国文明の深いところまで儒教は根を下ろした。ゆえに、西欧文明のほうがよさそうだと思っても、日本人のようにすぐ飛びつくことはできなかった。

儒教からマルクス主義へ

儒教を解体して、中国を近代化のレールに乗せる。その大転換を果たしたのが、毛沢東である。毛沢東は、中国革命を象徴する人物だ。中国共産党を率い、旧体制を攻撃し、抗日戦争を戦い、国民党を打ち倒し、共産党の幹部にも繰り返し牙をむいた。彼の「革命的ロマン主義」は、しばしば現実から遊離し、中国にとって危険でさえあった。

儒教を解体するためには、それに代わる思想が、外から来る必要があった。それがマルクス主義である。マルクス主義は革命のための、普遍思想である。毛沢東はそれを、中国化した。毛沢東は中ソ論争を通じて、マルクス主義の解釈権を握った。中国共産党は、普遍思想の担い手から、ナショナリズムの担い手に変わった。

だから中国共産党は、ソ連の脅威を前に、アメリカと手を結ぶことができた。アメリカは新しい外である。その反面、ナショナリズムは土着の伝統への回帰を意味する。毛沢東は皇帝のように、中国を外の脅威から守り、人びとはこれまで通り中国人でよいと保障した。儒教がかたちを変えて存続することとなった。

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