事実!できる子は「遊びの質」が優れている 子ども時代にどれだけ勉強をさせるべきか

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では、このような遊びばかりをしていて、勉強についていけるのかどうかという問題です。先ほど、述べましたように、今後生きていくうえで非常に貴重な「普遍的基礎力」がついていく「遊び」ですが、では、勉強はまったくしなくていいのかというと、もちろんそれとこれとは別です。やはり、勉強はできないよりはできたほうがいいのです。子どもの自信にもつながります。では、高橋さんのようなお子さんで、中学受験を考えていない子はどうすればいいでしょうか。

この27年間、私は数多くの小中学生を見てきましたが、この10年で特に顕著なのが、「小学校段階で基礎ができていないために、中学1年の授業にほとんどついていけない生徒が明らかに増えている」という実態です。もっと正確に言えば、勉強ができる子とできない子の格差が年々大きくなっているという事実なのです。これは統計でも出ていることです。

小学校のときに基礎・基本がしっかり身についていれば、公立の中学校の勉強はスムーズに入っていけるのですが、掛け算の九九もあやしいという子もたくさんいます。それではもはや中学校の授業は成立しないことでしょう。もちろん、小学校の授業も重要ですが、集団で授業を行っている以上、すべての児童を個別で見ることは現実的には難しいことです。ですから、家庭においても最低限のフォローはしておかなくてはなりません。

「朝飯前」にドリル学習が効果的

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私がいつも推奨しているのは、ドリル学習です。できれば朝、学校へ行く前に30分でやってしまう習慣をつけるとよいでしょう。いわゆる「朝飯前」というものです。

朝飯前ですから、多少早く起きなくてはなりません。ということは、夜は早く寝なくてはなりません。正しい生活習慣も身につきます。そしてドリルは、最低限、計算ドリル、漢字ドリルを1枚ずつぐらいはやりたいものです。運動における「筋トレ」みたいなものです。(習慣化が難しい場合は、「子ども手帳」を使って習慣化させてみて下さい。また、前回記事で中学校になったらドリル学習のみでは足りないという記事を書いていますが、小学生のうちのドリル学習は非常に有効です)

遊びで「普遍的基礎力」をつけ、ドリルで基礎学力を身に着けていくことで、その後の中学、高校への準備ができると思っています。もちろん、それ以上の勉強をすることも問題ありませんが、基礎・基本をコツコツと地道にやることが、勉強ができるようになる「王道」です。是非、高橋さんのお子さんは今の生活のよさ、外遊び主体の生活は続けつつ、勉強など気になる点については、このように補強されてみてはいかがでしょうか。きっと、ぐんぐん伸びる子になっていくでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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