升永弁護士が「意見広告」を打ち続ける理由 「自民党は言論の自由を潰そうとしている」
大手全国紙の1面(15段)に全面広告を出すと、掲載料がどれくらいかかるか、ご存知だろうか。新聞の規模やタイミングなどによってまちまちだが、定価ベースでは1000万円は下らず、高いところでは5000万円にも迫る。5000万円といえば、都内の一等地に2LDKのマンションを買えてしまう金額だ。
意見表明のために、この新聞広告を個人で打ち続けているのが、TMI法律事務所の升永英俊弁護士だ。升永弁護士は、人口比例選挙の実現を目指す「一人一票実現国民会議」の発起人である。1票の格差の問題は、「法の下の平等」という一点のみで議論すべきではないと主張。憲法前文にある「正当に選挙された国会における代表者を通じて」「主権が国民に存する」という文言、さらに多数決を定めた規定(憲法56条2項)を合わせて考えれば、憲法は人口比例選挙を想定していると訴えてきた。
140回以上も意見広告を掲載
これまでに新聞紙上に明らかにした意見広告は、半面広告も合わせて140回以上にのぼる。掲載費用の6割を升永弁護士個人で負担しているという。そうなると、いかに膨大な支出をしているかがわかるだろう。いったい、どのくらいの金額をつぎ込んでいるのだろうか。
「正確な額は事情があって言えない」(升永弁護士)とのことだが、相場から考えると、10億円を超える規模になっているはずだ。ここまで大きな金額を新聞広告に投入するのは、理由がある。投票行動に影響する重要な情報は、選挙が行われる前に人々に伝えられなければ、真の民主主義は機能しないからだ。
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