日本への留学経験がない中国人学生の日本語作文コンクール受賞作71本を収載した「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」が出版された。日中関係が冷え込む中、応募は過去最高の4749本に達した。家族や親友の猛反対に遭いながら日本語を専攻し、日本人教師や留学生、バイト先のお客、ゲーム作者とのメールなど、日本人と初めて接することで閉ざされた心に風穴が開き、戸惑い、あるいは交流へと突き動かされていく。
同書はみずみずしい感性と中国人らしいエネルギーにあふれた、若者たちの作文集となっている。編者である日本僑報社の段躍中代表に、背景を聞いた。
中国の若者には反日感情が刷り込まれているのか?
──ある受賞者の「心の中に残っている敵意のバイアス」という言葉が印象的でした。国の歴史教育や家庭での「日本を許すな」という教えを通し、中国の若者には反日感情が刷り込まれていると聞きます。
実際には日本のカルチャーを通した日本ファンが大勢います。ただ多くの若者は生身の日本人に直接触れる機会が非常に少ないんです。
歴史教育とともに、連日流される抗日戦争のテレビや映画が若者たちに日本憎しの感情を刷り込んでいく。番組自体は正直全然面白くないですよ。でも政府の方針だし、ほかの企画では予算が通らない。中国人自身、そうした事情はよく承知しています。日中交流をもっと別の角度からとらえ直す企画や民間交流におカネを回すべきだと、私はブログで書き、中国のメディアも取り上げてくれました。中国のマスコミ関係者も問題はよくわかってるんです。
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