中国の書店が「親日」であるのにはワケがある

「嫌中本」が売れる日本との決定的な違い

中国の書店のベストセラー本コーナーには日本の書籍がずらりと並ぶ

『窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子著)、『雪国』(川端康成著)、『白夜行』(東野圭吾著)、『火垂るの墓』(野坂昭如著)、『盲導犬クイールの一生』(石黒謙吾著)――。

言わずと知れた日本の名著、ヒット作品のタイトルである。発売時期はかなり古いものもあるが、これらの本が、今、日本の書店に並んでいたとしても、おかしいとは思わない。きっと復刻版か書店のフェアの一環だろう、くらいに思うだろう。

だが、2015年の現在、これらが書店の1階のベストセラーコーナーにズラリと並んでいる国が“日本以外”にあることをご存じだろうか。それは、韓国と並んで反日的な国だととらえられている中国である。

書店はその国の知的レベルやトレンドを表すものだと思うが、なぜ中国には日本の本があふれているのか? その秘密を探ってみると、マスコミからはうかがい知れない中国人の日本に対する深層心理が見えてくる。

上海市の繁華街、地下鉄「人民広場」駅から徒歩7~8分の場所にある大型書店「上海書城」はフロア面積3000平方メートルで7階建て。蔵書は12万冊を超える上海で最も大きな書店だ。東京でいえば、三省堂書店・神保町本店とほぼ同じ面積になる。

私が最初に同書店で「日本本」の多さに気づいたのは、2013年のこと。それまでも年に2~3回ほど北京や上海に取材に出かけていたが、ゆっくり書店を巡る時間がなかった。だが、その日は地方都市の詳細な地図を買い求めたくて、わざわざ大型書店に足を運んでみた。そして、思わず小さな声で叫んでしまった。

「上海の書店には、日本本があふれているじゃないか!!」と――。

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