日本人より優雅?定年後中国人の「懐事情」 爆買いする中国人はいかにして生まれたか
富裕層でなくても、夫婦で年金28万円!
「この年になってね、つくづく思うんですよ。私、今が人生でいちばん幸せなときなんじゃないかな~って」
上海在住の元大学教授の女性、張さん(63歳)は郊外のフードコートにある低価格のカフェで18元(360円)のジュースを私にごちそうしてくれながら、こう語りかける。
すでに定年退職し、仕事は週に2回の非常勤講師だけ。1講義あたり200元(約4000円)はもらえる割のいいバイトだ。それ以外は、新聞などでチェックした無料の健康講座に参加したり、夫や元同僚らと連れ立って近郊の農村の民宿に1泊で小旅行するくらい。あとは読書をしたり、休日に娘夫婦と会食したりする静かな日々だ。数年間介護していた母を昨年看取り、ようやく穏やかな日々を過ごせるようになった。
彼女の年金額は月額7000元(約14万円)。今年は昨年より200元くらいアップしたという。夫の年金もほぼ同額なので、夫婦合わせた年金額は、日本円にして28万円ほど。自宅は大学の元宿舎を10年以上前に格安で購入、そのまま住んでいるので住宅ローンはない。
近場の民宿に泊まる旅行は1回150元(約3000円)もかからず、食費も近くの市場で野菜や肉を買うだけなので、たいした金額にはならない。年に1回は娘夫婦と4人で海外旅行をしているのに、おカネは使いきれず、年金はかなり手元に残るという。上海市中心部のちゃんとしたレストランに食事に行けば、1人300元(6000円)は下らないほど物価は高いが、「人ごみが苦手なので、そういうところにはめったに行かない」そうだ。
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