4月22日、インドネシアの首都ジャカルタで日中首脳会談が行われた。会談で両首脳は、日中関係が改善傾向にあることを評価し、戦略的互恵関係の推進を図る方針で一致したという。
今回の日中首脳会談の背景と位置づけに対する評価はさまざまだ。中国の習近平国家主席が、内政上の障害を乗り越えて政権基盤を安定させることに自信を持ち始めているとの見方もある。
いずれにしても、政敵を抑え、3月の全国人民代表大会(全人代)も乗り切った直後の日中首脳会談だった。今年の全人代で、昨年の全人代で安倍政権を批判していた李克強首相も、日本批判を避けていた。
中国の財政の現状はどうなっているのか
さて、毎年3月に開催される全人代では、財政部(日本でいえば財務省にあたる)から「中央・地方予算」(以下「財政報告」)が報告される。「財政報告」は、全人代で審議・採択される。「財政報告」では、当年(1月~12月)における中央・地方の財政赤字対GDP比の見込みを公表している。
中国の財政は、2008年9月に起きたリーマンショックに端を発した世界金融危機の影響を受けて、財政赤字が大幅に悪化した。同年11月、2010年までに4兆元(約60兆円)の景気対策を行うことを発表したが、この財政出動によって中国の中央・地方の財政赤字対GDP比は、2008年の0.6%から、2009年には2.8%に悪化した。
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