日銀が買う国債は、誰が責任を負うのか

異次元緩和の「都市伝説」のカラクリ

日銀の異次元緩和から2年。国債を大量に買っている日銀だが、それによって国民負担が減っているわけではない(写真:ロイター/アフロ)

黒田東彦・日本銀行総裁の下での「量的・質的金融緩和」が始まって2年が経つ。「アベノミクス」3本の矢のうちの第1の矢と位置付けられ、デフレ脱却のカギを握っている。

「満期が来た国債は、元本返済が不要」のカラクリ

異次元緩和政策ともいわれる「量的・質的金融緩和」では、日本銀行が国債を大量に市場で買い入れている。日本銀行が大量に国債を買い入れている間は、国債金利は上昇しにくく、発行した国債が満期を迎えて元本を返済しなければならないものでも、日銀が持っている限り、返済のための税負担は要らない。あくまでも、「日銀が持っている限り」であるが。

そのカラクリはこうである。日銀が国債を大量に買い入れているのは、市中に通貨(マネーストック)を増やしたいからである。市中に通貨を増やすことで通貨価値の低下につながれば、通貨価値と表裏の関係にある物価(ここでいう物価とは、専門用語でいえば一般物価)が上昇する。つまり、物価が下がり続けるデフレから、脱却できる。

そして、異次元緩和政策を続ける限り、日銀は市中に通貨を増やすことを目指しているから、買い入れた国債で満期が来ても、政府に元本の返済を求めても意味がない。なぜなら、仮に満期が来た国債に対して政府に現金償還を求めれば、政府は国民から得た税収を使って現金を日銀に支払うことになるが、それだと市中から通貨が減ってしまうことになるからである。異次元緩和政策を続ける間は、市中から国債を買い入れて通貨を出回せることが狙いなのだから、満期が来た国債の元本返済を日銀が求めては意味がなくなってしまうのである。

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