進むも退くも地獄、追い込まれる黒田日銀

2015年、日銀は「アウェイ」の戦いに

選挙の「打ち出の小槌」として使われ、選挙後は責任をとらされるだけ?黒田総裁の苦悩は深いはずだ(ロイター/アフロ)

政治は動かないが、金融市場は動いている。

先週末からいろんなことが起きている。

日本の衆議院選挙は、細かく言えばいろいろあるが、要は何事もなく終わった。そりゃそうだ。争点が何もなく、誰も望んでいない選挙であれば、何かが起こるはずがない。衆議院議員の任期が伸びたことと、政党でいえば、維新が生き残ったこと、この2つがファクトとして意味のあることだろう。

民主党は代表交代で変わることができるか、ということがあるが、現時点では期待できないというのが人々の見方だろう。ただし、人々の見方は外れることも多い。

なぜ今回のロシア危機は、1998年時と違うのか

動かない日本政治に対して、金融市場は、激動の1週間だ。原油暴落からロシア危機となり、新興国関連の資産、通貨が悪影響を受けている。資源国以外の新興国は、原油安はむしろ大きなプラスなはずだが、そんなことは関係ない。金融資産ポートフォリオのリスク分散は、投資対象資産のファンダメンタルリスクを分散するのが、理論的には正しいが、現実には、投資している投資家、その資産の裏にいる投資家を分散する必要がある。

同じ投資家は同じセンチメントに支配され、同じ財務状況に支配されるから、売るときは一斉に売ってくる。いわゆる、リスクオフとなれば、全部のポジションを落としてくるから、それらが下落するのだ。だから、ここまでブームだったものが下落する。だから、米国株も下落し、日本株も下落し、ドル円では、ドルが売られ、円売りポジションが解消されたのだ。

ただ、この危機は1998年のロシア危機と異なり、広がりを持たないだろう。全体はそこまで悪くないし、LTCMは存在しないからだ。ただ、ロシアは難しい。ここを凌いでも、経済的にもそうだが、政治的な構造、世界でのポジションが悪すぎて、今後も長期的に苦しむことになるだろう。

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