「子どもの成績」までカネで買う社会に
中村:私は1980年代から中国とのビジネスを始めて、もう30年以上中国とは付き合ってきていますが、2000年代以降、豊かになってからの中国は本当に変わってしまった。
とりわけ中国の拝金主義はひどい。何でもおカネ、おカネの世の中に変わってしまいました。
ビジネスや出世のためにおカネを使うのは、ある程度理解できますが、いまや子どもの学校の成績までおカネで買おうとする。学校の先生に賄賂を贈るのは当たり前になっています。
中国では10歳にも満たない子どもの頃から、そういう汚い世界を見てしまっている。
だから、子どもは子どもで、委員長になりたければお土産など物を配りまくっていると言います。完全に社会がおかしくなりますよ。
小林:担任の先生に賄賂や贈り物をしないと、その親の子はいじめられるという話は聞きますね。
日本ではちょっと考えられませんけれども。その金額も大きい。
中村:実は、うちの孫娘が上海の現地の学校に入って、最初は「日本鬼子」などと言っていじめられていましたが、負けん気の強い子で、おカネではなく「贈り物攻撃」をして人気者になり、クラス委員長にまでなりました(笑)。
もちろん、勉強も一生懸命やって成績でもいちばんになったのですが、一方で、孫娘が言うには、日本の学校の勉強は「生ぬるい」と。中国は小学校低学年から厳しい競争が始まっていると言っていました。競争というのは勉強面だけではなく、人の上に立つ競争も含めてです。
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