ラオックス、爆買い狙った「怒濤出店」の勝算

総資産の倍以上の資金を調達、利益7倍目標

今年2月の春節休暇中、ラオックスの銀座店は多くの中国人たちでごった返した(撮影:梅谷 秀司)

総資産わずか189億円(2014年12月期末時点)の総合免税店、ラオックスが、397億円もの大規模増資に踏み切った。公募増資と親会社(蘇寧雲商集団の孫会社)への新株予約権発行を組み合わせる。増資後も親会社は持ち株比率40%を超え、その地位を維持する。

総資産の倍以上の資金を集めながら、発行済み株式数を最大27%の増加にとどめることを可能にしたのは、成長期待に裏打ちされた高い株価があってこそ。2014年12月期の営業利益は、2013年12月期の16.6億円の赤字から17.3億円の黒字へとV字回復。2002年3月期から途中の変則決算を挟み、12年続いていた赤字基調から黒字転換を果たした。

株価は半年で6倍に大化け

株価も2014年8月までは50円前後で低迷していたが、上方修正をきっかけに急騰を開始。2015年2月には300円台に突入した(図)。増資を実施するには絶好のタイミングだった。

ラオックスは1930年創業の家電量販老舗だったが、業績不振が続いて独自再建を断念。2009年に中国の蘇寧電器(現・蘇寧雲商集団)の出資を受け、主に中国人向けの総合免税店へと業態転換した。

しかし、その後も2011年3月の東日本大震災による風評被害、2012年9月の尖閣諸島の国有化に伴う反日機運の高まりなど、逆風が続いた。

それが一転、2014年ごろから、日中関係の緊張緩和や円安の進行によって、訪日中国人の増加傾向が顕著になり始める。ラオックスはひとたび来店客が増えれば、高い収益を上げられる。

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