中国の書店が「親日」であるのにはワケがある 「嫌中本」が売れる日本との決定的な違い
この点について、上海在住の男性はこう語る。
「書物とは学問を学ぶもの。扇動的な内容はメディアの検閲を通りにくいという問題もありますが、時事的な本は賞味期限も短く、そもそも書籍として“出版する価値”があまりないから出版に至らないのでしょう」
価値のあるものにしかおカネは出さない
「それに、一部の中国人の中には反日的な内容を読みたい、読んですっきりしたい、という気持ちはあっても、それはただで読み捨てることができるネットだけで十分。中国は日本以上にSNSが発達しているし、ネットならば、双方向でコミュニケーションが可能で、愚痴も言えますからね。
中国の本も最近は50~60元(約1000~1200円)くらいと高いですし、わざわざ自分の財布からおカネを出してまで買って、家に置いておくほどのものではないと思います。反日本を買ってもストレス解消にならないし(笑)。逆にいえば、ネット上で簡単に読める程度のものを、なぜ書物(=勉強の対象)で買う必要があるのか?と中国人は思います」
こうしたことから考えると、中国人にとって日本本は、わざわざおカネを出してまで「買う価値がある」ということなのだ。
彼らは、中国の画一的な教育では得られない幅広い教養や知識を、日本本からは得られると考えている。日本人にとっては特別な存在ではないアニメが中国で大ヒットし、あれだけ中国人に受け入れられるのも、中国のアニメは道徳性を強く押し出すものばかりで、彼らの心を満たしてくれるものではないからだ。
つまり、中国人の心の空白を埋めるもの、それが日本本だったのである。
「中国=反日」一色だと思われがちだが、それはごく一部の事象にすぎない。現地を見てみると、日本での報道がいかに偏ったものであるか、ということに気づくことができるのだ。
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