特に注目したのは「企業選択をする場合、どのような企業がよいと思いますか」という設問に対する答えです。上位6項目で10%以上の回答を獲得した項目は、1位「自分のやりたい仕事ができる会社」(40.2%)、2位「安定している会社」(26.3%)、3位「社風が良い会社」(17.8%)、4位「働きがいのある会社」(17,6%)、5位「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」(12.4%)、6位「給料の良い会社」(11.2%)でした。
要するに、「安定していて、やりたい仕事ができ、社風と待遇のいい会社」ということになります。一方で、意外に低かったのは「志望業種の会社」(5.0%)、「有名な会社」(2.6%)、「若手が活躍できる会社」(2.5%)でした。
自分の価値観を掘り下げろ
同調査は、すでに35年以上の歴史のある調査ですが、この調査を見る限り、学生が志望企業を選択する際に、「本当に自分の価値観を掘り下げて、企業選択をしているかどうか」は疑わしいと感じました。
理由は、以下3点です。1点目は、「自分のやりたい仕事」は「業種」との相関が高いにもかかわらず、「業種」が重視されていないからです。
2点目は、「安定している」や「福利厚生や給料の良い会社」は、「有名な会社」であることが多いにもかかわらず、「有名な会社」の順位が低いからです。「有名企業」≒「ブランド力がある」≒「長い間多くの人々に役立ってきた」≒「利益の蓄積がある」≒「安定している」≒「福利厚生や給与が良い」ということが多いものです。
「安定している」や「福利厚生や給料の良い」ことを重視しながら、「有名である」ことを重視しないのは、本当に自分の価値観を掘り下げて企業選択をしていないからでしょう。
3点目は、「働きがいがある、社風が良い会社」は、押しなべて「若手が活躍できる会社」であるのに、「若手が活躍できる会社」のランクが低いからです。
皆さんが会社説明会に参加したり、OB・OG訪問の際に「良い社風」を感じることができる会社とは、若手社員が夢を持って仕事に取り組んでいたり、自分のやりたい仕事ができたりする会社だと思います。
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