おおた:SW世界の中心にいるスカイウォーカー家がどうなるかを楽しむ映画なんだよね。
赤木:じゃあダースベイダーは田中邦衛だ。
常見:吉岡秀隆はルーク・スカイウォーカー?
おおた:そうなるね。
常見:純、蛍ぅ(田中邦衛演じる五郎さんの真似を始めるが無視される)。
中川:日本一うまいものを決めるために数十年いがみ合っている『美味しんぼ』の山岡士郎と海原雄山の関係にも似ているね。
常見:まあ、要するに優秀な子供がグレちゃったって話なんだよ。
おおた:まあ「親殺し」は物語の普遍的なテーマだからさ。日本にもスター・ウォーズに似た作品は多くあると思う。
「スター・ウォーズだから」という風潮が気持ち悪い
常見:太田さんと僕は、もうエピソード7を観たわけだけど、どんな感想を持った?
おおた:監督のJ・J・エイブラムスは、大健闘したと思う。彼は世界中のファンたちの期待を背負う一方で、新規のファンもつかまないといけない。ジャンルは違うけれど、同じ創り手として、この2つの課題を同時に達成した彼には尊敬しかない。
常見:うんうん。今回はルーカス・フィルムから権利を買った“ディズニー帝国”まで納得させなきゃいけないから、本当に大変だっただろうね。
中川:二人の話をずっと聞いたけど、オレはまったく面白いとは思わない。数十年メディアの世界で働いているけど、SWってなると、日本全体で「おもしろい」って騒ぎまくる風潮にムカムカしているんだよ。
常見:君はジブリも同じ理由で嫌いだよね。
中川:そうだよ。何が「バルス祭り」だ。オレがゲーム『三国志』が好きなように、個々人に好きなエンタメがあっていいわけ。でも、昨今のマスコミやネットは「話題になっている作品はみんなが好きなはずだ」って押し付けや同調圧力がすごく横行している。
常見:確かに。僕もエヴァ(エヴァンゲリオン)と、まどマギ(魔法少女まどか☆マギカ)には同じものを感じたよ。「この作品は手放しで褒めないといけない」とか「現代人なら絶対に知っておくべき」みたいな同調圧力が強くなったと思う。所詮、ポップカルチャーなんだからさ。普通に楽しめばいいのに。
中川:そうなんだよ。別に話題になっている=観なきゃいけないってわけじゃない。自分の好きなものだけ追いかければいい。
常見:SWレベルの作品だと、サブカルマウンティングや押し付けがいっそう強いよね。公開される前とかもさ、みんながうんちくをSNSにアップしていて、「普通に見ろよ」と思った。
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