(第26回)<寺田恵子さん・後編>素晴らしい先生ばかりにめぐりあえた

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(第26回)<寺田恵子さん・後編>素晴らしい先生ばかりにめぐりあえた

●生徒が悪さをすると、坊主頭になる校長先生

 昔は、先生との交流の機会が多くありました。クラスで集まって星の観察をしたり、先生の家で夜遅くまで勉強を教えてもらったり。
 今は、学校は学校、プライベートはプライベートですね。その頃は先生も親も、生徒も、心が広かったような気がする。私が先生に恵まれていただけかな?
 もちろん、変な先生はいて、意味もなく手をあげるような先生もいました。
 私の通っていた中学校は、生徒や先生の暴力が問題になって、新聞やワイドショーに出たこともあるくらい。ひどい先生もいっぱいいました。授業をしないで、生徒の顔をじっとみて、「かわいいね」と言い続ける先生や、身体検査するぞって洋服を全部脱がせちゃう先生とか。でも、校長先生はすごくいい先生で、生徒が何か悪いことをするたびに、自ら頭を丸めていた。先生が坊主となる原因になるような悪いことをした生徒は、授業を受けられず校庭の草むしりや掃除をさせられました。
 ただ勉強を教えてくれるだけでなく、悪いことをしたときに、それを一緒に乗り越えようとしてくれたり、生きることを教えてくれる先生がいた。私は、そんな先生に、小学校のときも救われたし、中学も、高校も、大学のときも救われました(笑)。

●私だけの卒業証書

 大学のとき、学費が払えなくて、学校を辞めなくちゃならない事態に陥りました。あと半年で卒業だったんだけど、そんなときある先生に呼ばれ、「待ってあげる」と言われました。「卒業したあとでもいいから、学費を払いなさい。学費を払い終わった時点で卒業証書をあげる」って。
 働いていたから大学生の後半はほとんど学校に行ってなかった。でも、親が「大丈夫だよ。あなたは自分の生活をしなさい」と言ってくれたので、私はバンドと自分の生活を維持し、親が学費を払い、卒業証書がもらえた……いい話でしょ?(笑)。
 このとき既に、歌をうたうという目的があったから大学を辞めてもよかったんだけど……。
 結局、学費を払い終えたのは大学を卒業してから。だから卒業式も出てない。随分遅れてその先生のところに行ったら、約束通り卒業証書をくれました。私はすごくいい先生に恵まれてるんだよ、本当に。

●学校だから学べたことがある

 小学校、中学校、高校すべて年上の人にいじめられてきた。そういう星の元に生まれたのかって思うくらい。小学校はバスケットボールをやっていて、中学はテニス部、高校でも、テニス部に入部しようとしたけど、入部を断られました(笑)。だから、高校からはバンドとゲーセン通いに熱中(笑)。
 18歳で歌の世界に入ろうと思っていたんだけど、うちの親に「どうしても大学は出てくれ」と頼まれ、それで宿題の出ない学校を探していたら栄養短大があった。大学に行くつもりがないからそれまで勉強をしていないでしょ。だから、先生にヤマをかけてもらった。ことごとく外れたけど(笑)。それでもう、絶対に落ちると思ったら、受かったの。よく覚えていないのだけど、面接官と意気投合しちゃった。絶対、面接が決め手だと思う。だって勉強してないもん、全然(笑)。
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