(第41回)<弘兼憲史さん・中編>合理的な行動で成功を重ねる

(第41回)<弘兼憲史さん・中編>合理的な行動で成功を重ねる

●合理的な考えから「理数」は切り捨て

 僕は非常に合理的な性格で、学生時代、国語と社会は一生懸命勉強をしましたが、理数系は中学校まで。高校に入ってからはほとんど手をつけませんでした。たとえば数学でいえば、「関数」を学んだところで、自分の将来考えている道に役立つかと考えると役立たないという答え、さらに「微分」「積分」はどうかと考えると、絶対に必要ない!そう思った途端にやる気が失せるのです(笑)。英語は将来必要になるだろうと思っていましたから、一生懸命勉強する(笑)。社会も知識として絶対に必要だから一生懸命やる……となると、自然と私立文系に照準が定められていくわけです。

スポーツはやりませんでした。スポーツが決して苦手なわけではありません。クラス対抗で野球をすれば、ピッチャーで4番バッターですから(笑)。なぜやらないかというと、この多感な時期に運動をするのはもったいない、本を読もうと思っていたからです。  無駄なものは一切省くという考えは、今でも同じですね。

●漫画家は、数少ない天才集団だ。

 漫画の場合、ストーリー構成を考えるときに、どこに山をもってくるかという緻密な計算を論理で進めていきます。思いつきで描いていても絶対にダメです。なぜ、これがウケるのかということや、必要かということを判断したり、削除する能力が必要です。漫画は絵ではなく、小説に近いですね。うちのかみさん(柴門ふみさん)なんて絵、下手じゃないですか(笑)。でも彼女は一応、高校時代は絵画部の部長で、大学時代も哲学科だけど美術を学んでいたらしいですけどね。僕も大学時代は小説を書いていて、同人誌も作っていました。漫画の場合、両方できないとダメですからね。
 ビッグコミックの連載陣が10年も20年もなかなか変わらないというのは、人材不足というより描ける人間が出てこないのです。両方を兼ね備えた人材がそんなに毎年出てくるわけではないですからね。

 自分がそこにいて言うのも何ですが、漫画家というのは数少ない天才集団ですよ。手塚先生とか、ちば(=てつや)先生とか、さいとう(=たかお)先生とか、松本零士先生も、藤子先生もみな、大天才ですよ。ああいうグループに入れただけでもよかったな。

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