今回は、サラリーマンの人生をリアルに描いた『島耕作』シリーズでおなじみの漫画家、弘兼憲史さんのお話です。昭和58年に「課長」からスタートした同シリーズは、主人公の島耕作が5月からいよいよ社長に就任。漫画のその後も気になるところですが、そんな数々のヒット作を生み出す弘兼さんに、漫画家デビューまでの道のりや、学校時代のエピソード、今の子どもについて思うことをお話しいただきました。
●看板の制作風景に学ぶ
僕は、山口県の出身で、岩国市立岩国小学校に通い、中学は私立高水付属中学校、高校は高水高等学校へ内部進学しました。
幼い頃から絵が得意だったので、母親が絵の先生について学ぶようにと、幼稚園に入園する前から絵を習っていました。小学校3年生くらいまで、クロッキーから、水彩、油絵、彫刻、版画と好き勝手に学びました。そこで漫画の基礎が培われたと思います。
自分は絵が描けるということを認識したのは、幼稚園のときでした。みんながでたらめな絵を描いているのを見て、「あ、そうか。俺はうまいんだ」と、初めて気づきましたね(笑)。
家の隣に映画の看板屋さんがあって、いつも朝から晩まで看板を描く様子を見ていました。当時は写真を拡大できないから、絵を描くしかない。写真に小さい升目を入れてそれを拡大させて描くやり方です。それをずっと朝から見ていました。顔の陰の部分に緑を入れているから、「顔に緑なんか入れてよいのか?」と不思議でしたが、仕上がってみるとその緑がいい感じになっている。これは驚きでした。
それから、親父は映画が好きだったので、字幕が読めるわけではありませんが、子どもの頃からずっと洋画を観ていました。映画館では騒がず、じっと観ていた記憶があります。純粋絵画より、ストーリー重視の漫画を選んだのは映画の影響かもしれないですね。
あとは絵本。講談社が出しているアメリカンテイストなリアルなイラストの絵本を一日中観ながら、真似して描いていました。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画

20年で変わった働き方、変わらない仕事の本質 多様性を強みにするチームワークマネジメント

【四季報「夏号」の注目ポイント】トランプ関税の影響/四季報の“全社読破”で見えたこと/「内需系」が堅調/ROEランキングでトップの企業は?/相場の注目テーマ

【注目セクターの“現在地”】「株時計」とは?/AI普及が追い風/航空・防衛はまだ伸びる?/造船の期待度/IPの可能性/日本製鉄の短期的リスク/トランプ関税の影響/四季報の注目ポイント【ニュース解説】

【ユーロは「基軸通貨」になれるのか】ECB“連続利下げ”は続く?/欧州経済3つのシナリオ/ドル離れは進むが…/高まる“金”需要/「ユーロ」の存在感/今後の為替の動き【ニュース解説】
キャリア・教育
アクセスランキング
アクセスランキング
- 1時間
- 24時間
- 週間
- 月間
- シェア
※過去1ヶ月以内の記事が対象
※過去1ヵ月以内の記事が対象
※過去1ヵ月以内の記事が対象
※過去1ヵ月以内の記事が対象
※週間いいねとシェアの合計(増分)
会員記事アクセスランキング
- 1時間
- 24時間
- 週間
- 月間
※過去1ヵ月以内の会員記事が対象
※過去1ヵ月以内の会員記事が対象
※過去1ヵ月以内の会員記事が対象
トレンドウォッチAD
週刊東洋経済の最新号
- 新刊
- ランキング