(第29回)大手、安定志向の学生の意識をどのように引き付けるか?(後編)

●採用直結型「インターンシップ」は外資系や大手企業だけのノウハウではない

 当然、これには社員の協力が必要だ。学生を本当の新人のように受け入れ、仕事を教え、ほめてやり、しかってやり、仕事の後には時には飲みニケーションのようなことも必要だ。会社の雰囲気を伝えるとともに、「君が入社したら、こんな風に受け入れるよ」ということを実感させるのである。
 社長自らがこのインターンシップの中心となることもある。一時期、ITベンチャーの経営者らがよく用いた方法だが、このインターンシップは手間がかかるだけに効果も大きい。社長と一緒に行動する「社長のかばん持ち」(採用に直結しているとは限らない)というインターンシップが有名だが、形にこだわる必要はなく、採りたい学生のタイプによってやり方を変える方法もある。期間は各企業の事情によって異なろうが、1週間程度から1日でも実施できる。事実、1日で充分という会社もあるし、学生は企業のセミナーなどで“社員の一日の行動やスケジュール”を知りたがる傾向があるので、インターンシップとはいわないまでも“我が社のリアルな一日体験”といとう形も可能だろう。

 また、社長同士で採用に課題を共有しあう関係があるならば顧客や取引先と連携することもユニークな試みになるはずだ。実現すれば異業種同士でコラボレーションし、100名単位の学生を集客する大手企業のOneDayインターンシップと差別化できること請け合い。「質の高い学生を採用したい」「チャレンジ精神のある学生は歓迎だ」というニーズは理解できるが、学生に挑戦を求めるなら、採用PRのコピー以外にも学生にはっきりと伝わる企業による挑戦が欲しいものである。
採用プロドットコム株式会社
(本社:東京千代田区、代表取締役:寺澤康介)
採用担当者のための専門サイト「採用プロ.com」を運営。新卒、中途、派遣、アルバイトなどの採用活動に役立つニュース、情報、ノウハウを提供している。

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