前置きが長くなったが、このような事実を念頭に置けば、自社に興味を持たせ、他社との違いを明確にしなければならないことは自明の理だろう。では、その核となるコミュニケーションの密度を高める手法として、中小・中堅企業はどのような施策に取り組めば効果が期待できるのか? 今回は採用直結型「インターンシップ」という方法を紹介したいと思う。名前を聞いただけでは外資系企業や、20日間近くにわたるインターンシップの選考を経て、数百名に内定パスを出すことで有名なワークスアプリケーションズといった企業が思い浮かぶが、採用数がそれほど多くない中小・中堅企業でも、取り組み方に工夫を加えれば採用手法に取り入れることは可能だ。
夏休みを前にまだ内定を持っていない学生、あるいは内定を持っていても活動を続けている学生の多くは、自分が企業に受け入れられるかどうかに不安を持っている。特に後者のような学生は景気にかかわらず、どの会社で働くかというより、自分が何をしたいのかという本質的な視点で就職活動に取り組んでいるものだ。そのような学生にとって、企業の中で実際に仕事をし、自分が受け入れられるかどうかを試すことができるというのは、就職意識(=仕事に対する心理的な価値)を変える体験が効果的だ。
大手企業が行うインターンシップは本格的な選考活動の前に行うものがほとんどだ。しかもその多くは、本当の就業体験とは言いがたいもので、学生用に特別に作られたプログラムにのっとり実施されているのが実情だ。
そんな大手企業の逆を行き、(1)“選考に直結”させ、(2)“実際の職場で社員の隣に席を置き実施”するインターンシップを行うのである。
施策を採用ステップのどの段階に置くかでパターンも変わる。まずインターンシップをやってから面接を行うパターン、面接の後に行うパターン、もしくはこれ自体が面接を兼ねるパターンなど、いろんなやり方がある。ただ受け入れられるキャパシティの問題、そして、何よりも魅力的な人物を学生のパートナーに選ばなければならない点に最大の配慮を要する。
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