加藤:関わり方までルール化しているのは関心しますね。自分ルールはどうやって決めるのでしょう。
石山:そもそものゴールがとても明確に設定されているので、そのゴールから逆算していったら、こうなるという形でルールを決めているのだと思います。あるいはもうちょっと上位概念の中のルールがあって、それをベースに展開していっているようにも見えます。
加藤:パーソナリティという側面ではどうでしょうか?
結果を生み出している人達は総合的に完成されている
石山:これはちょっと意外なのですが、優秀な人になればなるほどいい人が多いです。相当変わった人達なのかなと昔は思っていたのですが、コンピテンシーが高いというか、リスニングする力や社会とコミュニケーションする力はすごくあると思います。特に天才クラスになるとそういうコミュニケーション能力とかが欠落しているイメージはあるじゃないですか。でも、能力が上がれば上がるほど逆です。結果を生み出している人達は総合的に完成されています。
加藤:彼らのようになるには一般の人達はどうしたらいいのでしょうか?
石山:間違いなく言えるのは、努力は必須だということです。Alon Halevyさんもものすごい努力をしています。時々めちゃくちゃな海外出張のスケジュールを入れてしまうことがあるのですが、絶対に付いて来てくれます。「休む?」と聞いても「お前がもっと議論したかったら別に休まないで議論していいよ」と言うぐらいタフな人です。それから、先ほどの話に戻りますが、自分の外にあるもの、自分とは違う価値観にオープンになることではないでしょうか。
加藤:最後に、ご専門の人工知能の領域と、オープンであることの関わりについてお考えを聞かせて下さい。
石山:たとえば、最近シンギュラリティ(技術的特異点)っていう言葉がでますよね。ムーアの法則に従って技術革新が指数関数的に進歩する先の、大きな構造変化を言います。テクノロジーが世の中を変えるのは止めようがなくて、ただその影響が莫大なものだとすると、その時に自分がどうそれを受け止めるか、何を価値と考えるかがとても大事だと思うのですよ。
面白かったのが、カーネギーメロン大のトム・ミッチェル教授をリクルートのアドバイザーとして来日した時に、「シンギュラリティじゃない。マルチラリティだ」というコメントでした。特異点はひとつでなく複数ある、という言い方です。テクノロジーが指数関数的に成長していくとすると、人間の認識の柔軟性もそれこそ指数関数的に上昇しないと対応できません。新しいテクノロジーと、新しいものの見方が合わさって初めて新しいモノ・サービス・社会ができると思うのです。
そういった時に、先ほど話した価値観の柔軟性を培っておくのはものすごく大切ですよね。大人もそうですし、子どもへの教育にも、そうしたオープンさをいかに培うかが大事だと思っています。
加藤:本日はありがとうございました。
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