優秀な子に育てたいなら価値観を変えさせよ 達人に学ぶ、こだわりぬいた意思決定手法

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石山:確かに、大人でも自分自身が変わらないほうが安定していて心地よいと考える人もいますね。会社でも、成功体験をしてきた人であればなおさら、自分の認識や今までの自分のやり方でやっていれば間違いないという考え方になるのもわかります。ただ時代・環境は変わっていきますから、変えないことが必ず正解だとは言い切れません。

保守的な人と接するときは、彼らの価値観を損ねて不快にさせてしまう可能性があることを理解したうえで、ひとつずつ今やらなきゃいけないことをすり合わせ、コミュニケーションを重ねてポジティブに考えてもらえるようにしてあげなければいけないと私は考えています。その時に、何年も積み上げてきた実績自体はリスペクトしていることを伝えるといいかもしれません。

価値が転換するケーススタディは早いうちから教える

加藤:自分の外側を認識する、価値観を見直すのは、大人でも難しいですね。子供時代にそのような認識を促すには具体的にどのようなことをすればいいのでしょうか。石山さんの場合はどうでしたか?

石山:価値が転換するケーススタディみたいなものを子供のうちから与えてあげることが大切だと思います。たとえば私の場合は、『サラリーマン金太郎』や『男一匹ガキ大将』などの本宮ひろ志さんの漫画が家にあって、3歳くらいから漫画を読んでいました。

加藤:3歳ですごいですね! 内容はわかっていたのでしょうかね。

石山:どうですかね(笑)本宮さんの若手の頃の作品には、既得権益に守られている大人がいて、それに対抗するアウトローな人達が登場し、破茶滅茶ストーリーを展開するというのが多いです。そのストーリーを子供の頃に読んで「あ、そういうのはいいんだ、ありなんだ」とか「こういう事態に備えないと大変なことになるんだ」という感覚はありました。

子供が見るようなヒーロー戦隊モノのコンテンツを見る時にも、「なぜ序盤のヒーローが弱い時に全力で倒しに行かなかったのだろう」と、悪役側の観点に立って考えるような子供でした(笑)

加藤:相対的な見方をしていましたね(笑)マンガやテレビ番組が石山さんにとっては、「これは絶対じゃない」「いろいろあるんだ」と思えるきっかけだったんですね。

エキスパートのこだわり

加藤:Alon Halevyさんのような世界でもトップクラスに優秀な人と一緒に仕事をして、気づいたことや見習っていることなどはありますか?

石山:Alon Halevyさんと一緒にいて思うのは、自分が何をやるかという意思決定にすごくこだわっているということです。自分がやることには明確な定義があって、こういう要素を含んでなければいけないというルールを決めているのです。そのルールに当てはまらないことは絶対にやらないというのを徹底していますね。

加藤:ルールが決まっていると。それだけでは周りの人と衝突しませんか?

石山:衝突していることもあるのかもしれませんが、Alon Halevyさんはルールと周りを結合するインターフェースの作り方が抜群にうまいなと思います。加えて、最初にルールを作る時に、周りとの接し方もルール化しているようなので、自分のやりたいことを伝える方法もうまくて、何をやらせても完璧だという印象を私たちが受けるように彼はコントロールしているのかもしれません。自分のやることをこだわり抜くために、いろいろなことを自分の中で構造化して考えることを突き詰めているのはさすがだなと感心しますし、とても勉強になります。

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