優秀な子に育てたいなら価値観を変えさせよ 達人に学ぶ、こだわりぬいた意思決定手法

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加藤:10年もの蓄積があったのですね。やっと念願の研究所ができて、これから社会をどのように変えていきたいと思っておられますか?

石山:論理的・科学的に社会現象を理解することで、社会をよくしたい、という思いがずっとあります。じゃあ、その時の自分の役割はどうなんだ?と立ち戻って考えてみたこともあるのです。私のバックグラウンドには、たとえば論文をたくさん書いたというテクノロジー的な経験と、先ほど話したJVをバイアウトするというビジネスの経験があります。ただ、テクノロジーでもビジネスの面でも私よりAlon Halevyさんのほうが実績を上げていた人なんですよね。なので、彼の研究を支援するという役割に就いたほうがより社会を変えられると考えて今のポジションに落ち着きました。

原体験は9.11、留学や理転をしてリクルート入社

加藤:より優れた人を採用することによって自分のポジションを明け渡すなんて、普通のサラリーマンではまずしない意思決定ですよね。石山さんはなぜそんな決断が下せたのでしょうか。

石山:そこの一点だけでなく、色んな意思決定をしてきた流れがあったうえでの意思決定なので、一言で言うのは難しいです。ただ修士課程に進学する際の理転という選択と、その理転のきっかけになった9.11、米国で起きた同時多発テロは原体験として大きかったと思います。2001年の9.11事件の後、自分の目で現状のリアルに触れたい、現地の米国に行きたいと思った時に、日本予選を通過したら米国にタダで行けるプログラミングコンテストをたまたま見つけました。そこで、プログラミングを必死で覚えることにしたんですよね。

加藤:え、そこからなんですか?!

石山:はい。約2週間でプログラミングを覚えて応募し、ラッキーなことに予選を通過しました。米国に行った時に出会った日本人の先生に勧められて理転したという流れです。なので、最初の原体験が9.11、それを契機に「世の中を科学的によくできないか」と考えたところがスタートであり目的なので、そこに合わせて自分が変わっていったという感じです。

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