日本では「エンゲージメント」と言うコンセプトがないことや、こうした調査に対して、高い評価点をつけない、という国民性もあるのかもしれないが、その他の数多くの調査を見ても、同様の傾向がみられることからも、日本のサラリーマンと企業との関係は、日本人が気づいている以上に険悪である、と言えるのかもしれない。
さらに、先月、発表された米国のPR会社Edelmanの調査では、世界28カ国中、日本人は、「世界で、最も自分の働く会社を信用していない国民」という結果がでた。「自分の会社を信用するか」と言う問いに対して信用すると答えた割合はわずか40%、世界最低で、米国(64%)、イギリス(57%)、中国(79%)、インド(83%)よりはるかに低く、ロシア(48%)よりも低い。
ここまで、さまざまなデータがそろうと、日本のサラリーマンは世界一、不満だらけで、不幸な人種なのか、と感じてしまうが、果たしてそうなのだろうか。
なぜ不幸なのか?
日本のサラリーマンが不幸であることの要因を仮説として挙げてみよう。
1. 長時間労働
2. 収入減もしくは低賃金
3. 閉塞的な企業文化(前例主義、根性主義、減点主義)
4. 年功序列
5. 不適切な人材配置・活用
6. セクハラ、パワハラ、マタハラ
7. 硬直化した報酬・人事制度(不平等な平等主義または苛烈すぎる成果主義)
考え出すと、きりがないことに気づくが、ほかにも、外資系企業で働く友人や外国人の友人に聞くと、「日本企業ではかなりの幹部でも飛行機はエコノミークラスなのはあり得ない」とか「外資では、優秀な人材をつなぎとめるために、報酬も手厚く、やる気を継続させるシステムができている」といった声が聞かれた。
日本の会社員に共通しているのは「何だか報われてない感」のような気がする。必死で働く人にとっては、「何も仕事をしてないのに、楽して給料をもらっている人々の存在」が疎ましく、彼らと大して給料も変わらない理不尽さに憤るし、一方で、「楽している」と思われている側も、自分を活用できない経営がいけない、と会社に腹を立てる。
最近、厚切りジェイソンさんが、「日本の雇用環境はできない人を守るためか。出来ない人から見ると、天国。助かる。出来る人から見ると、地獄。栄えない」とツイートして話題になったが、その「天国側」の人間も「満足している」、とか、「会社をありがたいと思っている」かといえば、そうでもない。働く側も、働かない側もハッピーにはなれない矛盾が存在している。
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