また、中国製品は安いけれど粗悪品が多く、すぐに壊れるとこちらの評判も悪い。中国による輸送インフラの援助プログラムは、最初はいいのだが計画どおりに進まず、途中でストップしたりすることも多いようだ。あるアフリカの友人によると、初めの計画では安い予算を提示するが、見積額を変更したり見返り条件を出してくるので、結局は高くつくという。
アフリカ資源に目をつけたのは鄧小平か?
アフリカが中国を嫌う理由は、「資源を狙っている」のが露骨だからだろう。まずは、中国がなぜアフリカの資源を狙っているのかを説明しよう。
中国がアフリカ重視に舵を切ったのは、長期的な視点に立ち、国家戦略の中で資源問題に取り組み始めてからだ。中国における最大のエネルギー需要家は、製鉄分野とレアメタルを含む非鉄金属分野だ。これらは中国産業界の利益柱でもあるし、めざましい発展を遂げてきた。鉱工業産業は中国経済をリードし、増大する都市人口を支え、その産業基盤となる建築と産業インフラを支えている。ゆえに、これらの産業で使う原材料である各種資源の確保が、中国にとって死活問題である。これは私の勝手な想像だが、中国がアフリカに目をつけたのは、鄧小平がフランスに亡命しているときからではないだろうか。フランス滞在中には、アフリカ情報も多く入手できただろう。
ジブチの軍事施設で感じたキナ臭さ
私は軍事の専門家ではないが、今回のジブチ共和国訪問時に、中国がジブチに巨大軍事基地を建設し始めていると聞いて驚いた。
三原ミッションと自衛隊基地を訪れた時の情報ではこうだ。日本の海上自衛隊が水上部隊を含めて570名を駐屯させているのは、ソマリア海賊から日本の商船を守るのが主目的である。日本の自動車専用の船舶だけでもソマリア沖アデン湾を年間1700隻が通る。ジブチには同様に米国の海兵隊が4500名いる。ほかにもフランス、独、スペイン、イタリアがジブチ国際空港を囲むように軍事基地を有している。
各国の協力もあり、海上自衛隊が駐屯を決めた2009年に218件、2010年に219件、2011年に237件あった海賊被害は、2012年75件、2013年15件、2014年11件と減少して、2015年にはとうとう0件になった。これで一段落したと思っていたら12月、中国の軍事施設が建設されることになったという。場所は米国基地の隣で、こちらもソマリア海賊対策が軍事基地設置の理由になっているようだ。
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