ロシア経済は欧米からの経済制裁もあり、まだかなり傷んでいるようだ。頼みの原油価格も回復の兆しが見えず、ウリュカエフ経済発展相によると、2015年の経済成長率はマイナス2.8%からマイナス3.3%に下方修正され、2016年もプラス2.3%からプラス1%~2%に下方修正された。
とはいえ、プーチン大統領の肝いりで9月3日からウラジオストクで開催された「東方経済フォーラム」は、3000人を超える参加申し込みのためにホテルが足りなくなるほど。ロシア貿易への関心の高さと期待の大きさがうかがわれた。個人的には、そろそろロシア経済もアク抜けしそうな予感がしている。
ロシア人が評価する大統領、評価しない大統領
1989年以来60回ほどロシアに訪問し、ロシア貿易に携わってきた私だが、常々不思議に思っていることがある。それは、経済面で大変厳しい状況にあるにもかかわらず、なぜプーチン大統領がロシア国民に人気があるのかということだ。
プーチン大統領は1999年、エリツィン大統領から大統領代行に指名され2000年3月に大統領選に当選。多少の変遷はあったものの、抜群の人気を得ながら安定した政権を担っている。今でも85%の支持率を誇っているというし、15年もの長きにわたって政権を握っているのは驚異的だ。今回、ビジネス関係者からの証言なども含めて、ロシア人と歴代大統領について深掘りしてみたい。
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