プーチン大統領がロシアの国益を徹底的に守るといった姿勢は誰もが認めているし、傲岸不遜に見えるがお茶目な態度が垣間見られるところもあり、これも魅力となっているのかもしれない。
さて、そのプーチン大統領の訪日についてだが、延期を繰り返し続けている。さすがに今年は実現するだろうと思われたが、今回もその期待は裏切られた。「それでプーチンはいつ来るんですか」とロシアの関係者に尋ねるたびに、返ってくる答えは決まっている。
「ボールはとっくに日本にある」
日本に秋波を送り続けている
8月、プーチン大統領が北方領土を訪問したことを、日本の新聞各誌は強硬姿勢と評し、あたかもケンカ腰であるかのように報じたが、真実はどうなのだろう。筆者には、プーチンは一貫して日本に秋波を送り続けているように見える。「さあ、領土交渉を始めましょう」と日本に対してメッセージを送っているのが、なぜ日本人には伝わらないのだろう。
冒頭でふれたように、9月の「東方経済フォーラム」で、プーチン大統領自ら極東開発について発信している。日本の資本や技術提供なしに極東経済の発展はないことは明らかで、共同開発のテーブルに、北方領土のカードをわかりやすく乗せたとみるほうが自然だ。
弊社は11月12日、「ロシアビジネス交流会」を企画している。プーチン大統領とも交流のある法政大学の下斗米伸夫教授をはじめ、ロシアの法律や物流に関する第一人者から、ビジネスを進める上での注意点などを伝えていただく予定だ。資源大国のロシア、技術大国の日本が民間レベルで密に交流していくことは、何よりも大きな足跡になるはずだと信じている。
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