今回のコラムは、先日ロシア出張に行った際の「現地レポート三部作」の最終回だ。
過去2回のコラム「ロシアでレクサスが『バカ売れ』するワケ」や「ロシア経済は『破たん』してしまうのか」はおかげさまで好評だった。これらに加え、突如クリミアを訪問した鳩山由紀夫元首相の行動を批評した「鳩山由紀夫元首相は、宇宙人かバカか天才か」も、元首相という立場はさておき、「ロシアとの多元的なつきあい方の例」としての見方を提示できたと思う。
三部作の最後は、国際ビジネスマンの立場から、日本として現状のロシアの苦境をどう「利用」すべきか、私の考えを披瀝したい。
資源買うなら今!「逆張り」で対ロ貿易を推進せよ
ロシアに対する欧米の制裁については、今さら多くを語るまでもあるまい。欧州とロシアの貿易は停滞し、信頼関係は喪失したに等しい。一方、中国と韓国が欧州の輸出を支え、ロシアと中国と韓国との貿易も増加傾向。つまり、日本が米国に気兼ねしている間に、中国と韓国は欧州にもロシアにも急接近していたというわけだ。
私から言わせれば、今からでも遅くないので、日本は対ロシア貿易に踏み込むべきである。日本の対ロ貿易は思い切った手を打たなかったために、落ち込みぶりが著しい。特に昨年9月から12月の対ロ輸出ではルーブル安の影響から前年同月比で約60%の大幅な輸出減となった。
一方では、インフレを予測して駆け込み需要が増加するのでルーブル安が進んだ12月には、ロシアではモノが売れまくった。スーパーの家電の売上高はどこも50~100%増加。モスクワのユニクロも大幅売り上げ増となった。経済は生き物だから日本的な「君子危きに近寄らず」では、中国と韓国の安物に市場を取られるだけである。
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