「人の不幸は蜜の味」と言う。今回、鳩山由紀夫元首相がウクライナ南部のクリミアを訪れたことで、激しいバッシングを受けている一件だ。前回好評だったコラム「ロシアでレクサスが『バカ売れ』するワケ」でも触れた通り、最近筆者は同国を訪問したことでロシア関係のコラムを書いているわけだが、今回は急遽この話題について、国際ビジネスマンの立場から迫ってみたいと思う。
鳩山由紀夫氏の「正論」とは?
それにしても、マスコミは、寄ってたかって鳩山由紀夫氏を「悪の主人公」に仕立て上げている。もちろん、その背景はわかる。ロシアは昨年3月、ウクライナ南部のクリミアを一方的に編入。米国をはじめとする西側諸国や日本は「編入は国際法違反」という立場をとるのに対し、由紀夫氏は「編入のプロセスは合法」との見解を示したからだ。
とにかく、どのニュースでも、コメンテーターが鳩山氏の行動を一斉に非難している。だが、大の大人が、一見軽率にみえる行動を、鬼の首をとったかのような表現で責め立てるのは何とも大人げない気がするのだ。
知ってのとおり、由紀夫氏は人一倍の理想主義者だ。沖縄県の普天間基地の移設問題での発言は、完全にそれが災いとなった。だが、今回のクリミア訪問は決して思い付きではないと思う。あえて言えば、「確信犯」である可能性が高い。ロシア側の意見や見方が、日本のマスコミには伝わらないから、日本人が信じている「一方的な情報」にあえて「一石を投じた」という見方もできなくはないのだ。
セバストポリで、由紀夫氏はおおまかにいって、以下の意見を述べている。まず一番目は「クリミア半島が元々はロシア固有の領土であること」、二番目には「クリミアに住む国民が選挙で圧倒的多数でロシアに帰属させるべきだと投票をした事実を評価」、三番目には「ロシアとウクライナは兄弟のような関係だから、他国の干渉を受けず、双方で平和的な解決を模索するべきだ」との意見だ。
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