日産ゴーン社長、「ロシアはシェア4割狙う」 通貨急落で守勢でも、事業展開には意欲的
――足元でルーブルが急落している。日産としてビジネスの影響をどう見ているのか。
日産、ルノーと(その二社が経営権を持つ)アフトワズの3社でロシア市場の33%を押さえており、最大の自動車グループになっている。朗報なのは、危機の中でもシェアを伸ばしていること。悪いニュースは、市場自体が10%ぐらい縮小していること。加えてルーブルが壊滅的な状況になっている。これは業界全体に影響している。
ロシアでは、自動車メーカーの生産は必ずしも現地化が進んでおらず、エンジンもトランスミッションもパーツも、自動車自体もヨーロッパや日本から輸入している。ルーブル安になると皆が血を流す、すなわち赤字を出すことになる。いくつかのメーカーはほぼ活動を止めているし、工場の撤退すら決めているところもある。このような状況では、事業計画が立てられない。
危機の最中でも伸ばす
われわれはロシアで最も生産の現地化が進んでいるメーカーなので、競合他社に比べるとルーブル安の影響は小さい。部品の現地化率が高い商品の販売は続けている。しかし、輸入部品の比率が大きいものは販売価格を上げている(12月からおよそ半分の車種で2%~8%の値上げ)。ルーブル下落が続けば、価格をさらに引き上げざるをえない。
一部の車種は状況が見極められるまで、受注を中断している。ロシアのビジネスは意欲的にやりたいと思っているが、自社を短期的な変動から守らないといけない。今しているのは必要最低限のこと。ポテンシャルがまだまだあり、常に大きなマーケットであり続ける。この危機はいずれ終わるわけで、マーケットが回復した時に備えてポジションを確立する必要がある。危機の最中でも可能な限りシェアを伸ばして、40%を獲得したい。
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