日産ゴーン社長、「ロシアはシェア4割狙う」 通貨急落で守勢でも、事業展開には意欲的

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日本国内の生産は増える

――国内生産100万台維持を目標に掲げていたが、今年度の国内生産は約91万台の見通し。これまで、為替影響を抑えるため需要があるところで生産する「地産地消」を進めてきた。円安でその方針に見直しの余地はあるのか。

1ドル75円とか80円の円が異常に高い時に、中立的なレートは1ドル100円だと申し上げた。それが今は40円も安くなった。言うならば50%も動いた。円の水準はもはやハンディでも、中立的な水準でもなく、有利な条件になったことで、日本の国内生産が増える。これは論理的なステップだ。

一方、販売する国や地域での現地生産を可能な限り追求するという戦略に変わりはなく、そのトレンドは長期的に進んでいく。ただ常に好機があって、市場が拡大して、突如ある車種が人気になることもある。今は「ローグ」(日本名:エクストレイル)がそれだ。

アベノミクスを「非常に支持している」と語った

米国ではローグ自体も売れているし、そのセグメント(SUV・スポーツ用多目的車)が活況を呈している。現地の生産能力が不十分なため、増産という選択肢もあるが、円レートの競争力が高いので、日本の生産能力を活用する。ローグの輸出だけで最大で年間10万台程度、国内の生産を増やすことができる。

来年、国内の生産台数が100万台になっていなければ驚くと思う。遅くとも2年はかからない。100万台の維持はいっさい心配していない。

輸出はすでに復活してきた

――アベノミクスに対する評価は?

個人的に非常に支持している。企業人は明確性を支持する。その点、アベノミクスは整合性を持っている。円をより合理的な水準にするといって、それを実行した。1ドル100円をお願いしたら、それを上回ることをしてくれた。エネルギー政策についても明確してくれている最中だ。

経済を優先して取り組んでおり、ビジネスマンとしてその政策をサポートしないわけにはいかない。評価は時期尚早だが、輸出はすでに復活してきている。6か月後、1年後、2年後、輸出に対するインパクトが見えてくると思う。いずれ前向きな結果がアベノミクスによって得られると思っている。

 ――三菱自動車と共同開発した軽自動車2車種はいずれも三菱の工場で生産されている。自社生産の考えは?

軽自動車をすべて三菱自で生産しなければならないわけではない。(開発中の)3車種目の軽についても、自社生産の可能性はあるが、すべては競争力次第。われわれの工場も競争力があると自負しているが、工場の競争力を比べて、もしパートナーの方がいい仕事ができるのであれば、もちろんパートナーが生産を請け負う。

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