母親の「スマホ育児」を悪とは断定できないワケ 適切な使い方さえすれば「大きな味方」になる

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「スマホ育児」のメリットと問題点を、ITジャーナリストの高橋暁子さんが解説します(写真:Satoshi KOHNO/PIXTA)

電車内や飲食店で子どもが泣いたり騒いだりしたとき、あやすためにスマホを差し出したことのある保護者は多いはず。親が何をしても泣きやまないのに、スマートフォンで動画を見せると、なぜか落ち着くという子どもは少なくない。

先日も、電車内で急に泣き出した小さな子どもにYouTubeを見せる若いお母さんを見かけた。ところが、「まだ小さいのにスマホなんか与えて……」と非難めいた声がどこからか聞こえてきた。お母さんが困ったような顔をしている様子が気の毒そうに見えた。

筆者は講演先などで、「ついスマホで動画とか見せちゃうんですが、大丈夫でしょうか」と、子育て中の親から相談されることがよくある。そんなとき、多くの人たちが、どこか申し訳なさそうな、恥ずかしそうな態度でいる。ここ数年で「スマホ育児」という言葉が広まったが、悪いイメージばかりが先行して、罪悪感と悩みで葛藤している保護者は少なくないようだ。

はたして、スマホ育児は悪いことなのだろうか。スマホ育児のメリットとデメリット、保護者はスマホ育児とどう付き合えばいいのかを考えていきたい。

「スマホ育児」のメリットとデメリット

スマホ育児とは、主に「小さな子どもにスマホを使わせること」、または「育児中に保護者がスマホを利用すること」を指す。かくいう筆者も息子が大きくなるまで、スマホ育児をしてきた。

2009年末に生まれた息子には、0歳のときからiPadを使わせていた。スマホもタブレットもまだ今のように普及していないので、スマホ育児という言葉自体がなかった時代だ。当然、悪影響もいっさい報じられていなかった。

そんな環境だったので、0歳からむしろ教育に役立ちそうな「知育アプリ」を使わせていた。英語の発音アプリで英語を聞かせたり、音が鳴るアプリで音楽を演奏させたり、星座アプリで星を見せたりと色々トライした。中には結果が出なかったものもあるが、英語の発音は成長した今でも得意としている。

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