「巨額詐欺犯」の告白、リーマン危機前夜の大事件 『リーマンの牢獄』齋藤栄功氏に聞く

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『リーマンの牢獄』著者の齋藤栄功氏
[著者プロフィル]齋藤栄功(さいとう・しげのり)/1962年、長野県生まれ。86年中央大学法学部卒。山一証券、信用組合、外資系証券などを経て、医療経営コンサルタント会社・アスクレピオス創業。2008年、詐欺とインサイダー取引の容疑で逮捕。懲役15年の実刑判決を受け、09年9月収監。22年6月仮釈放。(撮影:風間仁一郎)
世界金融危機を半年後に控えた2008年3月。経営不安が伝わっていた米投資銀行大手、リーマン・ブラザーズの日本法人が371億円を詐取されたことが露見した。リーマンから出資を求められていた著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、事件の報道を機に同社に見切りをつけた。
金融市場に衝撃を与えた大型詐欺事件の主犯として懲役15年に処された人物が、その内実を赤裸々に明かした。裏金、愛人バンク、乱交パーティー、地下銀行……金に狂った男たちがバブルの奔流にのみ込まれる過程が、パワーワード満載でつづられる。
リーマンの牢獄
『リーマンの牢獄』(齋藤栄功 著/阿部重夫 監修/講談社/2200円/432ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──もともとは、新卒で山一証券に入社したサラリーマンでした。1997年に山一が自主廃業したときは、現職蔵相だった故・三塚博氏の裏金を運用していたとか。

最初は客の正体がつかめない休眠口座だった。社外を含む証券マン仲間の調査のおかげで本尊が三塚氏だとわかり、秘書に直談判して運用の一任を取り付けた。

まさか山一が潰れるなどとは思わなかったので、その直前には三塚氏の資金で山一株を買いまくった。65年に田中角栄蔵相(当時)が山一を救済した日銀特融がまたあると信じていたから。結果はご承知のとおりで、預かっていた7億円はパーになった。でも表沙汰にできない資金だったからか、何も責任は問われなかった。

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