「無料診療」「家族代行」無理ゲー時代の生き残り術 『死なないノウハウ』雨宮処凛氏に聞く

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『死なないノウハウ』著者の雨宮処凛氏
[著者プロフィル]雨宮処凛(あまみや・かりん)/作家、活動家。1975年、北海道生まれ。フリーターなどを経て2000年、『生き地獄天国』でデビュー。07年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』はJCJ賞を受賞した。『非正規・単身・アラフォー女性』『コロナ禍、貧困の記録 2020年、この国の底が抜けた』など著書多数。(撮影:梅谷秀司)
自身もロストジェネレーションで、非正規(雇用)や貧困をテーマに取材・執筆してきた著者。今回は「死なないノウハウ」だ。
死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで (光文社新書 1299)
『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで(雨宮処凛 著/光文社新書/990円/264ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──2006年から18年にわたって貧困の現場を歩いています。

貧困問題に関わった理由の1つは、私自身が1975年生まれの就職氷河期世代であること。そして19歳から24歳まで(94〜99年)フリーターを経験したことだ。

当時は、どんなに働いても月十数万円の給料しかもらえず、給料日前に電気やガスが止まることもしばしば。好きでフリーターをやっているわけではないのに、「怠けている」「いつまでもフラフラしている」とさげすまれる。景気がよくなれば正規雇用される、暮らしは楽になると信じていたが、ついにそんな時は来なかった。

なんのことはない。正規を非正規に置き換えて人件費負担を軽くするのは、当時、バブル崩壊にあえいでいた企業がとった明確な戦略だったことが後にわかった。

07年、『生きさせろ! 難民化する若者たち』という本を書いた。ネットカフェ難民が出現している現実や、「ネット心中」する若年たちの生きづらさに社会がようやく注目するようになり、私たち就職氷河期世代は「ロストジェネレーション」と名付けられた。

注目が集まったのはよかったが、当事者の多くは救済されぬまま、50代に突入している。

私自身、49歳の独り身で、フリーランスの文筆業だ。

──それで「死なないノウハウ」を執筆しようと。

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