富裕層がこぞって買う「5000万円級SUV」の最新作 ロールス・ロイス「カリナン」がシリーズⅡへ

ロールス・ロイスが手がける「カリナン」は4000万円以上ものプライスタグをつける、超がつくほどの高級SUVだ。しかし、驚くことに、このカリナンが今のロールス・ロイスの屋台骨なのだという。
2024年5月には、テコ入れが行われ「シリーズⅡ」に発展。6月初旬にジャーナリスト向け試乗会がスペインのイビサ島を舞台に開催された。カリナンに込めたロールス・ロイスの戦略とはなにか。現場の声を取り混ぜつつ、詳細を見ていこう。
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520.3カラットという世界最大のダイヤモンドの名を車名にしたカリナン。全長5355mmの車体を3295mmのロングホイールベースを持つシャシーに載せた大型SUVで、6.75リッターV型12気筒エンジンに、全輪駆動システムを搭載している。

私が最初に乗ったのは、まさに発表された年の2018年。アメリカ・ワイオミング州のジャクソンホールという、富裕層向けスノーリゾートでのお披露目のときだった。季節はまだ秋で、石がゴロゴロしているスキースロープのドライ路面を上り下りした。
ロールス・ロイスがそのとき伝えたかったのは、荒れ地を走る走破能力と、後輪操舵システムにより山道のきついカーブでも難なくこなす万能ぶりだった。そういえば、車内にUSB type-C用ソケットが設けられていたのも、私にとって初の体験だった。
調査の結果「性能的な不満はない」けど
「シリーズⅡになるにあたってユーザーへのヒアリングを行った結果、性能的な不満はないことがわかりました」
ロールス・ロイス本社で、プロダクトスペシャリストの立場からカリナン・シリーズⅡにかかわってきたケンザ・サーディ氏は、そう語る。
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