富裕層がこぞって買う「5000万円級SUV」の最新作 ロールス・ロイス「カリナン」がシリーズⅡへ
ロールス・ロイスは、加減速やハンドリングを含めて、あらゆる操作において「エフォートレス」を標榜する。ニュアンスとしては、“超ナチュラル”とでも言えばいいだろうか。余計な力はいらないし、電気でできることには、ほとんど人の力を使わないという徹底ぶりだ。
乗ってみれば、たしかにエフォートレスなのだけれど、路面からのフィードバックはハンドルを握る手に伝わってくるし、操舵すると車体の反応は予想以上に速い。冒頭で触れた2018年の試乗会のときより、東京で乗った最新型のほうが、ダイレクト感が増しているように感じていたが、シリーズⅡはさらに良い印象になったと思う。
ブラックバッジは、運転が好きな人のカリナンだ。最高出力は441kWに上がり、最大トルクも900Nmとさらに力強い。走り出してすぐに感じるのは、足まわり(ダンピング)がよりしっかりしているのと、ハンドルを切ったときの操舵力が重めだということ。
初めてカリナンに乗るなら、ブラックバッジのほうが違和感は少ないだろう。でも、標準モデルの軽い操作感は、キュラクターが立っていて、慣れるとクセになりそうだ。別の言い方をすると、“慣れようと努力すること”も、きっと運転好きな人なら楽しめるはず。
ブラックバッジでは、エクステリアのスピリット・オブ・エクスタシーとパンテオングリルをブラック仕上げにできるのも、特徴だ。
加えて内装では、ブラックバッジのインフィニティ・シンボルがダッシュボードやシート地に刺繍されたり、ダッシュボードの一部をテクニカル・カーボンなる炭素樹脂使用に仕上げたりすることも可能だ。
真の醍醐味はおよそ5000万円~
日本での価格は、標準のカリナン・シリーズⅡが4645万4040円、ブラックバッジ・カリナン・シリーズⅡが5415万4040万円(ともに税込み)。
もちろん、ともにこれがスタート価格で、ロールス・ロイスの新車をオーダーする人は、ここからさらに豊富なオプションを追加して、自分好みの仕様に仕立てる。オリジナルの1台をオーダーすることの、ロールス・ロイスの醍醐味なのだ。
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