思い出深いBMWのひとつに、1990年に発表された3代目「3シリーズ」がある。コードネームからE36とも呼ばれたこのクルマは、適度にコンパクト。乗ればスポーティで運転が楽しく、ボディバリエーションも豊富だった。
本国ドイツでは、BMWセダンの売れ線は「5シリーズ」で、それよりひと回りコンパクトな3シリーズが日本でもっとも売れているのは、彼らからすると「意外」だったという。3シリーズは、日本によく合うのだ。
その代表例ともいえるのが、E36である。どこに魅力があったのか。30年の時を経た今、思い出してみよう。
ドイツ人が驚いた日本での3シリーズ人気
BMWが初代3シリーズ(E21)を発表したのは、1975年。先に登場していた5シリーズ(E12)の4ドアボディに対して、セダンながら2ドアというのが特徴だった。ドイツでは2ドアセダンが好まれていて、適度なパーソナル性が評価されていた。
初代のイメージが、少なくとも日本の輸入車好きには強烈で、スポーティな雰囲気の3シリーズを「憧れのクルマ」として見ていた人は、私だけではないだろう。今でも、BMWのイベントなどできれいな状態の車両が出てくると、「ほしい」とため息が出そうになる。
実は、「日本はめずらしいマーケット」だとBMWは評している。ヨーロッパはもちろん、お隣の韓国を含めて、世界の多くの市場では、5シリーズのほうが3シリーズより売れているからだ。逆にいうと、そんな日本だからこそ、3シリーズへの“思い入れもひとしお”なのかもれしれない。
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