ロールス・ロイスが、2024年10月に「ゴースト・シリーズⅡ」を発表。SUV全盛の時代にあって、「セダンをあきらめない」と強気の発言をする。さらに「12気筒エンジンもあきらめない」とも語る。その象徴ともいえるのが新型ゴースト。その方針にはどんな背景があるのだろうか。
ゴーストが持つ、ドライバーズカーとしての歓び
現在のゴーストは、2020年に登場した。最大の特徴は、それまでのロールス・ロイス車と一線を画した操縦感覚だ。運転する楽しさが追求されている。私はそのとき、日光のいろは坂をドライブして、たまたま先行していたポルシェ「911」にひけをとらないぐらいの速さと、操縦性の高さに感心させられたものだ。
ゴーストの好印象は、2024年11月に南仏エグザンプロバンスで、シリーズⅡになった新型を運転してみて、まったく変わらなかった。
車重は約2.5トンもあるが、その重さを感じさせない。全長5545mmのボディに、420kWの最高出力と850Nmの最大トルクを発生する6750ccのV型12気筒エンジン搭載。太いトルクと、ギア比と、変速タイミングと、足まわりと、ステアリングの設定、それらのバランスがうまくとれているせいだろう。
ロールス・ロイスでは、凪いだ湖面をすーっと滑っていくような感覚を目指しているようで、「ワフタビリティ」(ワフト=水上を滑っていくこと)なる造語までつくっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら