富裕層がこぞって買う「5000万円級SUV」の最新作 ロールス・ロイス「カリナン」がシリーズⅡへ

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現地で解説をしてくれたケンザ・サーディ氏(写真:Rolls-Royce Motor Cars)
現地で解説をしてくれたケンザ・サーディ氏(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

ロールス・ロイスにとってカリナンがことさら重要なモデルであるのは、新たなユーザー層開拓のため。このモデルの登場によって、ユーザーの平均年齢がうんと若返ったのだ。

サーディ氏によると、カリナンの登場によってロールス・ロイスユーザーの平均年齢は、56歳から43歳へと劇的に若くなったという。購買層の年齢を下げることは、とりわけ高額車を扱うブランドにとって至上命題である。

独自の世界観を感じさせるデザインが若い層にアピールしているようだ(写真:Rolls-Royce Motor Cars)
独自の世界観を感じさせるデザインが若い層にアピールしているようだ(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

「シリーズⅡを出した目的は、ユーザー層へのアピールを強めることにあります。超富裕層のニーズをしっかり採り入れ、市場のトレンドに対応し、カリナンへの興味をつなぐことが、重要だと判断しました」(サーディ氏)

シリーズⅡでは、これまでの伝統的な(悪く言うと時代がかっていた)フロントマスクを大きく変更。LEDによるシグネチャーライトを採用して、新たな“表情”を創出した。同時に、バンパー下には大型のエアインテークを左右に設けて、スポーティな印象を強化したとする。

同社初のEVモデルであるスペクターとも共通性のあるデザインとなった(写真:Rolls-Royce Motor Cars)
同社初のEVモデルであるスペクターともどことなく共通性のあるデザインとなった(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

側面にまわると、ロードホイールの外径を1インチ上げて大径化。一般的には、それによってタイヤの扁平率が下がり、結果としてコーナリング時のたわみが少なくなってハンドリングにしっかり感が出る。同時に外観上、タイヤの存在感が目立つようになってスポーティな印象となる視覚効果もある。

派手なファブリックが新しいインテリア

もうひとつ、ユーザーの若返りとともに“新たな市場開拓”という目的を念頭において見たときに興味深いのが、インテリアの変化だ。

デジタル化が進んで、メーター類とともにダッシュボード中央のインフォテインメントシステムが刷新。2023年に登場したピュアEVモデル「スペクター」と同様のシステムが搭載されたと説明されている。

デジタライズしても、それを強く主張しないのがロールス・ロイス流(写真:Rolls-Royce Motor Cars)
デジタライズしても、それを強く主張しないのがロールス・ロイス流(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

それだけでなく、シート地に新しい提案があり、驚くほど華やかな雰囲気を作ることが可能となった。そもそもロールス・ロイスのクルマは、ほとんどフルオーダーで作られるため、どんな派手な仕様でも可能だが、今回「デュアリティ・ツイル(二重綾織り)」なる凝った織りのファブリックが新たに用意された。

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