就活に役立つ!「会社四季報」使いこなし術【第8回】--会社は誰のもの?株主を見極めよ!
ただ、会社四季報に掲載されている企業は、一定割合の株式を一般に売り出し、その株が証券取引所で取り引きされている(上場している)企業なので、1人もしくは1社の株主が100%の株式を保有していることはありません。もし、ある上場企業の株式をすべて取得する株主が現れた場合、その会社の株式は上場されなくなりますから、会社四季報もその会社の掲載をやめます。これを「上場廃止」といいます。
では、【株主】欄を見ていきましょう。ほかの指標と比べて、それぞれの数字の絶対値はあまりポイントになりませんが、一つのポイントは過半、つまり50%を超える持ち株比率の株主がいるかどうかです。過半を握る株主がいる場合、その会社は株主の連結子会社となります。つまり、株主が親会社となります(正確には、持ち株比率が50%以下であっても実質的に支配している状態であれば親会社です)。
親会社は連結子会社の経営に重要な影響を与えます。通常、社長以下、重要な役員が親会社からほとんど送り込まれてくるようなケースがあったり、実質的なビジネスの上では、親会社の意向が大きく影響してくる(大局的に見れば完全に親会社の意向に沿う)ことを覚えておきましょう。
過半以下であっても20%を超えるような持ち株比率の株主がいた場合は、その会社は株主のグループ企業(関連会社)になります。いわゆる「~系」の会社ということです。また、さほど大きくない持ち株比率の大株主にも注目です。その会社と業務提携関係や何らかの取引関係があるケースが少なくないです。