東京電力・再生への条件、1兆円投入で国有化
「このコスト削減策はもっと深掘りできないか」
5月に「総合特別事業計画」を発表した東京電力では目下、その実現に向けた具体策の取りまとめが急ピッチで進んでいる。同社は来春、火力・燃料部門、送配電部門、小売り部門をカンパニー化し、各部門の収益目標などを含めた中期経営計画を発表予定。今年9月には素案を示すもようだ。
計画を練る経営改革本部会議の事務局には東電と大株主となった原子力損害賠償支援機構(以下、機構)から40代の職員が集結。機構出身の島田隆執行役を筆頭に、かつて東電の議決権をめぐり争った“敵”同士が侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を繰り広げている。
料金値上げでつまずき
事業計画発表以降、東電の置かれた立場は大きく変わった。6月末に委員会設置会社へ移行し、内部昇格の廣瀬直己氏が社長に就いたほか、東電の監視機関である機構の運営委員長を務めていた弁護士の下河辺和彦氏が会長に就任。外部取締役を含め、経営陣は刷新された。
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