人生の分水嶺は「瞬間」の判断と行動に宿る 人生の決定的な瞬間に、どう向き合うべきか
想像してください。あなたはいま、片道2車線の道路で車を運転しています。速度は時速50キロメートル。前方やバックミラーにはほかの車も見えますが、道はさほど混んでいるわけではなく、順調に流れています。
やがて、あなたの視界に交差点が見えてきます。右折するのであれば、少し早めに車線変更して、右レーンに入っておく必要があるでしょう。あるいは、左折するのであれば車線変更の必要はありませんが、やはり早めにアクセルを緩め、ウインカーを出して、準備をしなければいけないでしょう。
そのまま直進しますか? もしそうなら、準備は必要ないかもしれませんね。でもその場合も、自分の前を走る車の動きやウインカーなどに注意しておかないと、思わぬ事故を起こしてしまうかもしれません。
瞬間ごとに判断している
自動車の運転を安全に行うには、こうした無意識の判断を繰り返し、繰り返し行う必要があります。しかも、そこには時間的猶予はほとんどといっていいぐらい、ありません。求められるのは、ほとんど意識することさえ困難なぐらいの、瞬間的な判断です。
判断を求められる瞬間は、次々にやってきます。そしてある瞬間、もしあなたが正しい判断ができなかったとすれば、その車は事故を起こしたり、思わぬ回り道をしてしまい、目的地にたどり着けなくなってしまうでしょう。
僕たちの心も、この自動車の運転と同じです。日常というのは、文字通り「瞬間ごとの判断と選択」によって紡がれています。何気ない会話の中で、相手の言葉に一瞬カチンと来る。その瞬間に、「なんでそんな言い方するの?」と聞きとがめるのか、腹は立つけれどその気持ちを押さえ込んでしまうのか、あるいはまったく違う対処を見出すのか。そういったことを判断し、行動に移す。そのために与えられた時間は長くて数秒です。
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