貧困度の高い日本は格差是正策を打つべきだ OECD加盟34カ国で6番目に高い貧困度

拡大
縮小
日本の相対的貧困度は、34のOECD諸国のうち6番目に高いという(写真:soramushi / PIXTA)
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏は所得格差をめぐる鮮やかな問題提起で注目され、その著作『21世紀の資本』は2014年から15年にかけて世界的なブームを引き起こした。英国オックスフォード大学フェローのアンソニー・アトキンソン氏は、ピケティ氏が師と仰ぐ不平等研究の先駆者だ。彼は今世界、そして日本の格差問題をどのように見ているのか。特別に寄稿してもらった。

 

経済的不平等の現状に関する懸念は世界中で共通のものだ。近年は豊かな国と貧しい国との差が縮まり、世界全体として見れば1日に1.90ドル(約230円)以下で暮らす極貧層の数は目覚ましく減った。

豊かな国における貧困

アンソニー・アトキンソン教授の新刊『21世紀の不平等』は世界16カ国で刊行されている
 

ただ、不平等は多くの国で生じており、豊かな国にも貧困が依然として存在している。これを受けて米国のオバマ大統領は、不平等の問題を「現代における明確なチャレンジ」と呼んだ。

同様に、IMF(国際通貨基金)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事も「不平等は世界の経済的システムの安定性を脅かすものだ」と述べた。そして国連のメンバーは2015年9月に、貧困と不平等の問題を強調した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に署名した。

だが世界のリーダーたちは、不平等をなくして貧困に打ち勝つために取る手段そのものについては発言していない。彼らは公正な成長を求めているが、それはどうしたら実現されるのだろうか。

次ページ日本の格差は政策の影響も大きい
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
「イトーヨーカドー幕張店」激戦区の大改装に差した光明
「イトーヨーカドー幕張店」激戦区の大改装に差した光明
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT