斬新スマホ「NuAns NEO」は何が新しいのか 6人で作ったWindowsPhoneの誕生秘話
こうして徐々に”作る”方向で固まってきたスマートフォン作りだが、本格的な調査に乗り出したのは今年春、4月のことだ。さらにプロジェクトチームの参加メンバーが確定して本格スタートしたのは5月下旬だった。
まずフリーエンジニアの永山氏を加えて可能性を検討。マイクロソフトと連絡を取り合いながら、生産パートナーとなりうる中国のEMS企業を探した。
並行して、デザインチームは「TENT」という二人のクリエイティブユニットに頼むことにした。彼らがもしオファーを断っていたら、今のNuAns NEOは存在しなかっただろう。そもそも「NuAns」というブランドは、トリニティとTENTの共同プロジェクトとして立ち上がっていたものだ。オリジナルのNuAnsプロジェクトとは別にスマートフォン作りのプランが立ち上がり、スマートフォン作りにTENTが加わることで「NuAns」を軸にした商品企画にしようとなったのだ。
自分たちでコントロールできるか
電気設計はEMS企業側の比重が大きいが、外観やコンセプト作りはもちろん、細かな機構設計などは、自分たちでコントロールしなければ、思い通りの製品にはなっていかない。
TENTの青木氏と治田氏は、ふたりとも大手電機メーカーで工業デザインを任されてきた人物で、”見た目”や”雰囲気”といった面のデザインだけでなく、細かな機構設計を詰め、素材の違いなども意識しながら作り込んでいける実力と経験を持っている。
前出の永山氏も、ソフトウェアや電気設計の知識だけでなく、他NuAns製品などの開発経験も経て、射出成型や中国EMS企業とのコミュニケーション能力がある。所属する組織はバラバラだが、こうした少人数が同じコンセンサスをもって同じ目標に取り組むチームを作れたことが、プロジェクトが前に進んだ一因だろう。人数が少ないことで、各々が全体を見渡せ、本音で話ができる。チームの人数が2倍だったなら、そうは行かなかっただろう。
それと同時に、パートナーシップの構築という意味では、Windowsを選択したことが、我々にとって大きくプラスになった面もある。
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