ケータイ値下げは大山鳴動して議論尻すぼみ

そもそも首相発言の根拠は誤りだった

料金値下げの指示を飛ばした安部首相は、すでに興味を失っているという(撮影:尾形文繁)

通信料金引き下げの議論が、ついに大詰めを迎えている。

事の発端は9月11日の経済財政諮問会議における安倍晋三首相の発言だ。「携帯料金などの家計負担の軽減は大きな課題。高市(早苗・総務)大臣にはしっかり検討を進めてもらいたい」。

首相が問題視したのは消費支出に占める通信費の割合だった。同割合は2004年に約4%だったが、10年間で約1%上昇している。

高市総務相は有識者による会議の組成を総務省に指示。9月29日には、野村総合研究所の北俊一・上席コンサルタントら7人を構成員とする、「携帯電話料金その他の提供条件に関するタスクフォース」が急きょ結成された。

首相発言の根拠は誤りだった

ところが、タスクフォースの議論は早々、料金の引き下げから大きく離れていった。

10月19日の第1回会合で、国際的に日本の通信料金は決して高くないことが確認されたからだ。通信費の割合が高まったのも、スマホの普及が進んだことやタブレットとの2台持ちの結果で、当然とされた。つまり、首相発言の根拠が誤りであったことを、まず確認したのである。

当の首相はというと、「すでに興味をなくしており、高市大臣ははしごをはずされた格好」(総務省関係者)という。

そこでタスクフォースは、複雑な販売方法や「携帯会社を乗り換えるユーザーの獲得費用を既存ユーザーが払うのはおかしい」といった、わかりにくさ、不公平感の解消へと議論をすり替えていく。

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