ケータイ値下げは大山鳴動して議論尻すぼみ そもそも首相発言の根拠は誤りだった

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同月26日の第2回会合はクライマックスになるはずだった。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクの携帯大手3社を呼び、本音を聞き出せるとみられていたからだ。

冒頭のあいさつに立った高市総務相は、「個人的に料金は高いと感じる」としつつ、第1回の議論にのっとり、不公平さやわかりにくさの解消を要望。その後の3社のプレゼンは多少の温度差こそあれ、こうした指摘を認め、判で押したように「真摯に対応する」と繰り返すばかりだった。

こうした展開を事務局が予想していたのだろうか。第2回会合が始まる前から、第3回(11月16日)は、非公開にすることが決まっていた。

アップルとの取引の実態解明はならず

第3回会合は不公平感の温床ともいわれている、乗り換えユーザーの優遇や高額キャッシュバックの実態解明が主題となった。

本音を聞き出すために個別面談の形を取り、各社の担当者は高市大臣、桜井俊・総務事務次官をはじめ、タスクフォースの委員、傍聴席の総務省職員など、約100人に囲まれた。端末の在庫をさばく際に大手が利用しているブローカーの存在をはじめ、非公開ならではの突っ込んだ質疑応答もなされたという。

一方、「実質ゼロ円」の代名詞ともいえるiPhoneについて、米アップルと携帯3社の販売契約の実態を突き止めることはできなかった。2年間の利用を前提に、端末代金と同額の料金を値引きする実質ゼロ円は、ソフトバンクによるiPhone発売(2008年)が始まりだ。

毎年、新機種が発売される度、各社は大量の販売ノルマをこなすため、代理店に多額の販売奨励金を投入し、店頭では高額キャッシュバックがなされてきた。そのほか、広告宣伝費を携帯会社が肩代わりするといった、さまざまな負担が存在するとみられる。

そうした意味ではタスクフォースにおける本丸の議題だが、アップルと携帯会社間の秘密保持契約が立ちはだかり、解明には至らなかった。

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