斬新スマホ「NuAns NEO」は何が新しいのか 6人で作ったWindowsPhoneの誕生秘話
そもそも、なぜスマートフォンをトリニティが独自開発することになったのか、そしてなぜ筆者がそこに加わったのかについて話をしておきたい。
私がトリニティを知ったのは、現在はテレビとレコーダ/ゲーム機などを接続するインターフェイスとして定着しているHDMIが普及しはじめた頃である。初期のHDMIは接続時のトラブルが多く、その原因にはあまり知られていない話も多かった。中でも”EDID”というディスプレイの性能や仕様を示すコードの扱いはトラブルの元になっていたが、彼ら(トリニティ)はその問題に対して原因の根本から解決したユニークな商品を販売していたのだ。
このユニークな商品の評価記事を担当した私が、詳細部分を確認するために彼らの会社に問い合わせの電話をしたところ「実は本田さんが問題の原因と解決策を書いた記事を参考に商品開発をしたんです」と意外な答えが返ってきた。記事掲載から3カ月程度しか経過していなかった。”こんなに速く商品化できるものなのか”と驚いたことを憶えている。
その後、トリニティはスマートフォンの周辺アクセサリに事業の中心に移したため、彼らの製品を直接評価、紹介する機会はほとんどなかったが、業界動向などの情報交換は続けてきた。
「いつか本体も作りたい」
昨年の夏ごろ、星川から打ち明けられたのが「周辺デバイスやアクセサリだけでなく、いつか”本体”も作りたい」という想いである。実は私自身も「いつかはエレクトロニクス業界の中心となっている商品の開発に、自分自身でかかわりたい」と考えていた。
ご存知の通り、アップルがiPhoneで”破壊的イノベーション”を起こして以来、ありとあらゆるエレクトロニクス製品市場が、その形を大きく変えてきている。携帯電話の領域にとどまらず、テレビ受像機やパソコン、カメラ、オーディオからボイスレコーダなどのビジネスツールまで、エレクトロニクス製品でiPhoneの影響を受けていない市場はほとんどない。
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