「開かれた株主総会」を目指すグルメ杵屋の経営哲学

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「開かれた株主総会」を目指すグルメ杵屋の経営哲学

「ふぅ~。もうお腹いっぱいやわぁ。ちょっと食べ過ぎたなぁ」

6月19日、大阪市内で開かれた株主総会後の帰路、あちこちからこんな声が聞こえてきた。うどん店「杵屋」やそば店「そじ坊」などをチェーン展開するグルメ杵屋。前2012年3月期の業績が底打ちを示したこともあり、株主の表情は柔らかった。

前々期の11年3月期は不採算店の撤退を大胆に進めたことに加え、資産除去債務の特別損失も響き、財務制限条項の抵触スレスレにまで陥っていた。だが、前12年3月期は既存店の業態転換も奏功、ケータリング事業、機内食事業などに懸念要素は残るものの、尻上がりに良くなってきている。今13年3月期には復配も果たす見込みだ。

業績が回復軌道に復帰しつつあることも株主の表情を緩めている要因のようだが、出席した株主が満足している理由はそれだけでもないようだ。


■雨の中にもかかわらず、大勢の株主が参集

グルメ杵屋は上場以来、いかに開かれた株主総会を開くかに苦心を重ねてきた。たとえば、株主の家族や見学者の参列だ。いまでも議決権行使も発言も行わないオブザーバーの参加を禁止する企業や、オブザーバー参加を許可しても別室にモニターを用意して株主総会を攪乱されることを防ごうとする企業は多い。

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