「開かれた株主総会」を目指すグルメ杵屋の経営哲学

だが、同社は株主だけでなく、株主の家族や取引先など、株主ではない一般参列者も同じ議場内に招き入れている。総会決議の集計、質疑応答を株主に限定する必要があるため、オブザーバー参加者の席は株主席と分けられるが、オブザーバー参加者は議場の雰囲気を肌で感じることができる。
 
 また、企業研究の一環として学生の見学も許している。今年も京都大学、名古屋大学、関西大学、立命大学4校の学生約50人が参列。株主総会とはどんなものか、身をもって実感したはずだ。「欧米の株主総会はもっと和気あいあいとしている、日本でもそんな雰囲気の総会があっていいはず」。創業者である椋本彦之氏の思いは、いままさに結実したといえるだろう。


■株主からの質疑応答にも丁寧に回答する椋本充士社長

ただ、ここに至る道のりは平坦ではなかった。グルメ杵屋が大阪証券取引所第2部に上場した1989年当時は、会社法が施行されるはるか以前。81年の商法改正によりやや下火になりつつあったとはいえ依然として総会屋が跋扈していた時期だった。監督官庁などからは「前例がない」「警備上に問題が生じるのではないか」などといった、大反対を受けたというが、グルメ杵屋は欧米の例など研究し、説得を続けた結果、同じ議場内でも席を分けるならば、という条件付きで許可が下りたという。

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