私が18年間勤務したリクルートで社内転職の経験を何回かしました。その経験の1つが独立起業を応援する情報誌『アントレ』の立ち上げ。一方で事業の責任者として社内から元気で能力の高い社員を集めるための採用活動に奔走しました。まさに社内転職を促す立場であったわけです。
人事部から「この社員を受け入れてくれませんか?」と声がかかる人材だけでは不十分。
「○○事業部のD君がわれわれの事業部に来たいと言っている。もし、異動できないと会社を辞めてしまうかもしれない。ぜひとも人事部で交渉してくれないか?」
と、社内転職したい候補者を自力で確保するのも大事な仕事でした。
そこで、多くの人材が、わが事業部に「社内転職したい」と声が上がるように準備をすることが大事。トップ(事業部長クラス)は3年後、5年後のビジョンを描いてアピール。あるいは「うちの事業部は売り上げ伸び率が社内でナンバーワン。だから賞与の額が平均的に高い」と待遇面を自慢しつつ「うちの部署では元気な営業職を大募集中」と社内で人材を求めていることを周囲に発信したものです。
すると、その情報は口コミやネット上の掲示板で広がります。そして、聞いた社員たちの中で
・魅力的で将来性がありそう
・その職場なら人間関係もうまくやっていけそう
・自分の得意分野が生かせそう
と、琴線に触れた社員は社内転職を考えるようになります。ただ、職場には現在の上司がいます。普通の転職活動と同じように感づかれると少々面倒。
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